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暗闇のキャンドルディナーでスープを召し上がっていただく [キャンドルディナー2016.2.14]

のんとろっぽ日曜倶楽部の2月14日のイベント
キャンドルディナーの料理がほぼ決まっておりますが
その中でもスープについてお話したいと思います。

ちなみに前回まで
かなりざっくりロココまでの料理の歴史→http://tavolamusica-3.blog.so-net.ne.jp/2016-01-29
ざっくりキャンドルディナーの服装を考える→http://tavolamusica-3.blog.so-net.ne.jp/2016-01-29-1


先ほども書きましたが今回はスープをお出しします。
レストランにとってとても重要な意味を持つスープ。

ぴかぴかのこのスープチューリンにいれて各々の器に注ぎます。
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暗いとさらにきれいだろうなぁ



レストランの語源はフランス語で「回復させる」を意味する動詞 restaurer の現在分詞 restaurant です。
現在分詞なので回復させている的なニュアンス??

この言葉は16世紀に現れ「回復する食事」を意味し、
特に栄養に富み強く風味付けされたスープでありました。


そしてフランス ブルボン王朝時代、フランス革命前に
エスタミネ(居酒屋)で、つまり外食ではじめて供されるようになりました。

もともとは汁物も煮込みも同じポタージュと呼ばれる深鍋に入ったもの、同じ扱いでした。
ですがこの当時の居酒屋はギルドの関係により、煮込み料理を出すことが禁じられていました。

そこで「レストラン」という滋味栄養にとんだスープのみを売り出したのです。
コレを食べると元気になる!という売り込みもあったようです。
かなり流行ったらしい。

ちなみに当時の「レストラン」は子羊の骨付きすね肉や野菜などを寸胴にいれ
その鍋をラップのように牛の膀胱の膜でおおい、
なんなら中華の蒸しスープのような作り方だったようデス。
いつか作って食べてみたい・・・・



フランス料理の辞書とも呼ばれるオーギュスト・エスコフィエの「ル・ギッド・キュリネール」。
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この本は「天皇の料理番」で有名になった秋山シェフも薦めているほど
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辞書のような大全で、かつ料理が体系的に記されているので探しやすいです。

コックになって割りとすぐに3万何がしで買って重いから「送りますか?」って書店員さんに言われたのに すぐ読むために無理して持って帰ったのを思い出すな~


この本を書いたエスコフィエという人物はナポレオン3世の料理人としても仕えました。
Auguste_Escoffier_01.jpg

当時この時代は大きく高く豪勢にもる料理だったのを
今のような一人一皿ずつ、あたたかいものはあたたかいまま、
冷たいものは冷たいまま食することができるように
ロシア式の提供の仕方へと変わっていった時代でもありました。

まぁフランスからロシアへ来たフランス料理人が寒いロシアで発案したのを さらにフランスへ逆輸入した、と言うわけです(笑)


この本にもポタージュの重要性についてかかれています。

今日ポタージュという名前を保っている液体を含むだけでなく、
調理に含まれる全てのもののことをさしていたのが、

ポータージュを今ある完璧な姿に導くのには
アントナン・カレーム(18世紀~19世紀)という偉大な人物がいたのにもかかわらず
そこからまだ1世紀近くもかかった。

「正餐におけるポタージュは、建築における柱のようなものだ。
つまり、ポタージュは正餐で最初に出されるという料理というだけでなく、
オペラ・コミックの序幕がその作品の主題を告げるように、
宴会の正しい観念を与えるやり方でちょうりするべきである。」

グリモンド・ラ・レニエール、この高名な美食家の考えに、同意する。

とかかれています。

このあとにまだポタージュは冷たい前菜の後に出されるべきだとか、
生牡蠣を出したらダメだとか、
こと正餐の成功は、ポタージュが会食者に与える印象の良し悪しにかかっているとさえしています。


ポタージュは澄んだポタージュと、つなぎを入れたポタージュに分かれますが
澄んだポタージュのほうは今ではコンソメと呼ばれるものです。

今回のキャンドルディナーでもレストラン≒ポタージュ≒スープを召し上がっていただきます。

内容はもう少しだけ練って、ね。
暗いろうそくの光の中での舌をすべる液体。

ぜひぜひご賞味あれ!
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