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おいしいと幸せ [料理]

「おいしい」はどんどん頭の体操の方向へ向かっていると
特に星つき、メディアに出ているお店にはそういう傾向があるように思いますし、
実際お客様も徐々にそういう料理のほうがどんどん好きになってきているかなと感じます。

分解され、再構築され、現代アートのようにデザインされた料理。

個人的にはそれも食べて「おいしい!!」ならOKですが
なかなか要素の多い料理には食べた瞬間からの「幸せ」発令は難しいものデス。

ワインインポーターからのお便りに面白い記事が出ていました。

辻調理師学校の伝統的な大地に根付いた料理を出す
スペイン3つ星シェフの過去のインタビュー記事です。
http://www.tsujicho.com/report/cat680/1-2.html

(以下引用)
  先日あるジャーナリストに「カタルーニャ料理で一番好きなのは何か」と質問されたので、
「春の野生のアスパラガスを使ったオムレツ」と即答しました。
やはり市場の料理、季節の素材の料理こそ最も素晴らしく、
私はそうしたものの価値を今も信じているのだと、改めて感じました。

 でも実際にはどうでしょう?
もし私が非の打ち所の無いアスパラガスのオムレツを作り、お客様に出したとすると、
それがどれほど素晴らしいオムレツであったとしても、
お客様は「わざわざアスパラガスのオムレツを食べに高級レストランに来たのではない」と仰るでしょう。
 どうして非の打ち所のないアスパラガスやトリュフのオムレツを
高級レストランで食べることが人々にとって喜びにならないのでしょう?
それはきっと"クリエーション(創造)"ではないと思われるからではないでしょうか?
最高品質の卵を使い、本物の旬のアスパラガスをフライパンで炒めておき、
完璧な塩加減で作られた究極のオムレツ。
どうしてそれに感動しないのでしょう?

 現代の人々は野生のアスパラガスのオムレツが
まさに料理のクリエーションそのものであることが理解できないのです。

●10年ほど前から料理人とお客の間に遊びがなくなってきて、お客が皿の上に求めるのは商品になってきています。
 その通りです。でもどうしてオムレツでは駄目なのでしょう?

●かつては同じレストランに1週間毎日訪れると毎日異なる料理を食べさせてくれたのですが、今は3日間通うと3日間とも同じ料理が提供されることがほとんどです。
 そうですね、メニューを構成する料理の数が少なくなっていますから。
それに、現在のミシュランの星の評価を持つレストランのシェフたちは
リスクを負うことを恐れていると思います。
ここで注意していただきたいことは現代の料理人にとってのリスクとは、
複雑で凝った、写真向きの料理を作ることではなくて、
その土地に伝わってきた、素朴な料理を作ることだということです。
なぜテロワール(大地)に根ざした料理を作ることがリスクになっているかというと、
常に「新たな」料理を求めるメディアの影響があるからではないでしょうか。
そして、メディアなしには自分の存在を認められないと思い込む傾向があるからではないでしょうか。



最後のメディアの部分は店の経営とも密接につながっているので
なんとも言えない感じですが。。。。

伝統への畏怖、自分自身の背景や地方性、
そして自然への賛歌、これこそがお互いに幸せになれる「おいしい」じゃないかなと思います。

のんとろっぽは決して伝統的な料理ばっかりじゃないし、
クリエイションな料理でもないし・・・
個人的には「自然への賛歌」、現代人で東京の子の感覚、
そして「おかあさん」な感じ。

これを大切にしたいと思います。

image.jpeg

写真は200年まえから変わらず隅で調理している
フィレンツェのトラットリア「ソスタンツァ」のアーティチョークのオムレツ。

超!!!!!!!!おいしかったなぁ。
近所にほしいお店です。
遠いなぁ

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